肥満について勉強していると、耳にするかもしれない“モナリザ症候群”。
あなたも私も、気付かないうちにモナリザ症候群になっていて、ダイエットがムダになっているかも!
実は肥満に悩んでいる人のうち、7割がモナリザ症候群になっているんだとか…。
モナリザ症候群はどんな症状で、ダイエットにどう関係するの?
ここでは、あなたのダイエットがムダな努力にならないように、モナリザ症候群についてお話しします。
目次
まずはモナリザ症候群かをチェック!
モナリザ症候群は、メタボリックシンドロームのように、ウエストや血糖値を基準にするといった診断方法ではありません。
モナリザ症候群の診断方法は簡単、以下の10個の質問に答えていくだけです。
もし、チェック(イエス)とした質問が5個以上あるのなら、あなたが「太りやすく、やせにくい」のはモナリザ症候群だからなのかも…。
【モナリザ症候群かチェックしよう!】
□あまり食べてないのに、なぜか太る…
□朝起きたときにスッキリしない…
□朝食は基本、食べません!
□継続的なストレッチや運動はできていないな…
□時間があればゴロゴロするのが幸せ!
□日中はほとんど座っている!
□湯船に入らず、シャワーだけで済ませます!
□睡眠時間は6時間以下!
□深夜1時までは起きる!夜更かし好き!
□スマホをいじる時間が何気に長い…
どうですか?モナリザ症候群ではありませんでしたか?
モナリザ症候群とは?症状はあるの?
この名前を聞いたときに、ルーブル美術館に収蔵されているモナ・リザ(Mona Liza)をイメージしたのは、おそらく私だけではないはず(笑)
でも、モナリザ症候群は「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity」の略で、モナリザとはまったく関係ありません!
ちなみに、「Most~」と思考が停止しそうな長い英文をザックリ訳せば、「交感神経の働きが衰えて、脂肪燃焼の効率が悪くなっていますよ」という意味。
脂肪燃焼しにくくなるので、モナリザ症候群になっていたら「痩せない(痩せにくい)」、「太りやすい」んですね。
ん?それって、痩せたい人には致命的じゃない…?
交感神経と脂肪燃焼はどう関係するの?
「脂肪を燃やせ!」や「脂肪を分解しろ!」と命令をするのは脳なのですが、指令を受けるのは交感神経です。
つまり、交感神経がしっかりと働いていれば脂肪の燃焼や分解が効率よく行われるということ。
逆に交感神経がしっかりと働いてくれないと、いくら運動しても脂肪の燃焼や分解は行われないのです。
では、どうしてモナリザ症候群になってしまったのか、また、どうすれば改善することができるのかを見ていきましょう。
モナリザ症候群になる原因とは?
モナリザ症候群の原因を一言で表すなら“自律神経の乱れ”です。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、この2つがバランスを取っていればベストな状態。
しかし生活習慣の乱れや、過度のストレスを受けると交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、交感神経の働きが鈍くなってしまうのです。
モナリザ症候群になりやすい行動
□ストレスが多く、ストレス解消ができていない。
□昼と夜、メリハリのついた生活ができていない。
□睡眠時間が足りていない。
□食事を抜いたり、早食いをしている。
□あきらかな運動不足である。
□悩んだり、くよくよしがちである。
□深く考えず、とりあえず食事しているだけ。
ちなみに、交感神経と副交感神経の役割を簡単に紹介すると、以下のようになります。
交感神経とは…
主に昼間(起きているとき)に活発になります。
・血管は収縮し、心拍数が増える。
・脳の活動が活発になる。
・汗を出す。
・胃腸の働きが抑制される。
副交感神経とは…
主に夜間(リラックスしているとき)に活発になります。
・血管が拡張し、心拍数は減る。
・脳のはたらきが落ち着く。
・膀胱が収縮(排尿)する。
・胃腸の働きが活発になる。
では、この2つの神経バランスが崩れたとき、どうやって改善していけばいいのかを次で見ていきましょう。
モナリザ症候群の治し方
自律神経の乱れの原因を取り除けば、自ずと自律神経は整います。
まずは「モナリザ症候群になりやすい行動」で当てはまった項目について、ライフスタイルを見直してモナリザ症候群を改善することはできないかを見てきましょう。
ストレスを溜め込まない
「ストレスが多く、ストレス解消ができていない」の対策案。
現代はストレスを抱えずに生活することのほうが難しいので、ストレスフリーの生活を送ることよりも、抱えたストレスを解消することのほうに力を入れるのもひとつの手。
わたしの場合は、家でひとりになったとき、「カラオケ JOYSOUND for Wii U」でストレス発散しています!
カロリーも消費できるし、ストレス発散もできるし、一石二鳥!
あとは、以下のアイテムでアロマを炊いて、仕事をする前、昼食後、就寝前にリラックスできる環境を作っています。
アロマは交感神経を活発にする作用や、食欲を抑制する作用など、精油によってはダイエットに嬉しい効果も期待できるのでおすすめです。
私の愛用しているのはラサーナのアロマディフィーザー(超音波振動加湿方式)です。
みなさんの好きなことはなにですか?
ちょっとの時間でいいんです!好きなことをしてストレス解消しませんか?
夕食、入浴、睡眠のタイムリミットを決める
「昼と夜、メリハリのついた生活ができていない」の対策案。
テスト前や仕事の繁忙期は難しいかもしれませんが、「20時までには夕食をたべる!」「22時までにはお風呂に入る!」「25時までには寝る!」と、自分のライフスタイルに合わせてムリのない「○時までに△△をする!」と決めるのも対策のひとつとしておすすめです。
メリハリのついた生活になるだけでなく、生活習慣のリズムが整うのでダイエットだけでなく、お肌の調子やヤル気UPにつながるというメリットも考えられます。
寝る前のスマホを止めちゃう!
「睡眠時間が足りていない」の対策案。
最近の社会現象として「寝る前スマホ」という言葉があるとおり、寝るときに手の届くところにスマホを置いていると睡眠時間が短くなる割合の高いことがわかっています。
また、人はメラトニン(ホルモン)が分泌されて眠くなるのですが、スマホの光はこのメラトニンの分泌を抑えるため、寝つきを悪くする原因にも…。
そこで、「寝よう!」と決めたのなら、手の届かない位置にスマホを置いておくことをおすすめします。
またスマホのアラームを止めるにも起き上がらないといけないので、うっかり二度寝してしまう可能性も低くなるので一石二鳥です(笑)
ゆっくり食べて満腹感UP!
「食事を抜いたり、早食いをしている」の対策案。
ダイエットのつもりで食事を抜くと、実は逆効果で体はカロリーを貯め込むようになります。
また早食いをしてしまうと、満腹を感じる前に食べ過ぎてしまうのをご存知ですか?
というのも、満腹感は満腹中枢をレプチンという伝達物質が刺激することで演出されるから。
そして、そのレプチンは食事をすることで分泌され、20分から30分かけて満腹中枢に到着するからです。
早食いだと満腹だと感じる前に大食いしてしまい、太る原因に。
ですがゆっくり食べると、少量でも満腹だと感じるので、カロリー摂取過多になりにくいのです。
できるところから行動を置き換える
「あきらかな運動不足である」の対策案。
「運動解消するために1日30分は運動する!」と決めるも、3日坊主…。そんな経験はありませんか?
ハイ、私です(汗)
「子育てで忙しい!」、「仕事でヘトヘト…」、「気がついたら忘れている…」。
実際、自分で決めたわずかな時間でも、「運動する」のは至難のワザ。
そこで、“運動”する時間を確保するのではなく、できることを運動に置き換えてみてはいかがでしょうか?
私の場合は、以下のように行動を置き換えてムリなく運動不足を解消しています。
少しだけ、私の実施している行動置き換え運動法をお教えしますね!
・掃除機を使わずに、床掃除。
ひざを使わずにウ○コ座りのようなイメージで。
・1時間に階段一往復、トイレのついでに階段一往復!
これは体のためにも、集中力を高めるためにもおすすめです!
・ハミガキをするときは、かかとの上げ下げ。
ふくらはぎによい負荷がかかります!
・階段を上がるのはしんどい、でも下がるのは楽!
デパートなど上がるときはエスカレーターを使うけど、下がるときは階段を使っています。それだけでも筋力へ負荷をかけることができるので運動不足につながるでしょう。
このように、ちょっとした行動を運動不足に活用することができます。
普段から忙しいひとこそ、「ちょっとしたことを、少しずつ」。ムリしないことが運動不足解消に必要だと思います。
誰かに話してみる、話すだけでも違う!
「悩んだり、くよくよしがちである」の対策案。
悩みなどを抱えてくよくよしているとき、悩みやその問題に共感を持ってくれる人に話すだけで心が軽くなります。
実は、人は“話すだけ”で以下の3つ効果(カウンセリング3つの効果)を得ることができることができるのをご存知ですか?
バディ効果
共感してもらうことで安心感を得たり、心の痛みが癒されたり、孤独感から救われる効果があります。
アウェアネス効果
話すことで自己洞察ができ、悩みの原因や解決策など前に進むために必要なことを知るキッカケとなります。
カタルシス効果
人に自分の気持ちを話すことで、スッキリして心の重荷が軽くなる効果があります。
ただ否定的に話を聞く人や、真剣に話を聞いてくれない人に話すのは逆効果。
また家族や友達など親しい人に話したくないこともあるでしょう。
そんなときは、匿名で利用できるココナラのスピリチュアル・ヒーリングカウンセリングなどを利用するのもひとつの手だと思います。
よく食べる食材のメリットを知る
「深く考えず、とりあえず食事しているだけ」の対策案。
出されたメニューをなんとなく食べる、何も考えずに献立を立てて調理する。
そういう人は多いと思います。私自身もかつてはそうでした。
ただ子供ができたときに、子供の好き嫌いを改善するために“食材のいいところ(メリット)”を勉強しはじめたんです。
・ヨーグルト食べると、おなかの中によい菌が増えて太らないよ!
・ささみを食べると筋肉がつきやすくなって、早く走れるようになるかもよ?
・アジを食べたら、肌荒れが治っちゃうかもよ?
そんな話をするだけで、あ~ら不思議。子供が嫌いな食べ物を食べはじめたんです!
でも、これは子供だけでなく大人も同じで、「ダイエットによい」「肌にいい」という食材があれば取り入れたくなりますよね?
何もすべての食材について勉強しろというわけではなく、よく食べる食材、自分の好きな食材だけでもよいです。
食材のよいところを知るだけで、食事が楽しくなり、「ただ食べるだけ」という問題の解決につながるでしょう。
病院でモナリザ症候群は治せるの?
どうしても、自分の努力ではモナリザ症候群を克服することが難しい…。
そんなときは、病院で治療するするのもひとつの手だと思います。
モナリザ症候群は何科を受診すればいいの?
最近は数多くの科があり、自分の症状はどこを受診すべきなのか迷いますよね?
このページを訪れてくれた方に限って言えば“ダイエット外来”や“肥満外来”がよいと思います。
このふたつなら、モナリザ症候群でなければ、それ以外の原因を探ってもらえますし、モナリザ症候群であれば適した治療を受けることができるでしょう。
ただし「痩せにくい」という症状以外に、以下のような症状がある場合は、心療内科の受診でも構いません。
・何をしていても気だるい。
・いつも疲れている。
・何をしてもヤル気が起きない。
・動悸・息切れ・頭痛・耳鳴りなどの症状がある。
・毎日、少しのことでイライラする。
・毎日、気分が落ち込んで涙が出てしまう。
モナリザ症候群に効く薬はあるの?
モナリザ症候群そのものを治療する薬は、今のところありません。
ただ、モナリザ症候群は自律神経の乱れが原因なので、症状によっては漢方薬など自律神経を整えるための薬が処方されるでしょう。
しかし自律神経の乱れはライフスタイルや生活環境が大きく影響しているので、薬で治すのではなく、そうなった原因をとりのぞくことが大切です。
モナリザ症候群が自律神経失調症に発展!?
この記事を読んで、「自分はモナリザ症候群かもしれない…。」と感じても、心の中では「でも私は大丈夫」だと思っていませんか?
その考えは危険です!今すぐモナリザ症候群を治すための行動をおこしてください!
というのも、自律神経が乱れると交感神経よりも副交感神経が優位になり、その結果“自律神経失調症”になってしまうリスクがあるからです。
もちろん、すぐになるわけでもないですし、可能性としては低いかもしれません。
でも自律神経失調症になってからでは遅いんです!
自律神経失調症になったら「ダイエットしなきゃ」レベルの悩みではすまなくなります!
ダイエットのサイトなので、別のことで脅すようなことを言って申し訳ないですが、上で紹介した「モナリザ症候群の治し方」の中からできることをはじめてみるとダイエットの効率があがるかもしれませんよ!